このエッセイは、折りに触れ色々な患者さんからも話に上がることの多かった作品の感想です。
★ とんでもなくネタバレを含んでいるただの感想文なので、読みたいがネタバレはお嫌な方は、先に最下段にあるタイトルをまず観てからにするのがよいかもしれません。
★ 途中まで読んで気づけた方は、にんまりできるかも?
ここで取り上げる作品を観た時、はじめは邦題しか見ていなかったので、なんだか大げさだなぁと感じるばかりでした。
なんとなく覚えているのは、高校か何かの卒業式に絡んだシーンがあったかな、若者がガウンと博士的な帽子(欧米で卒業生がかぶる四角い板みたいのにぼんぼりがぶら下がっている黒いもの)をかぶっていて、「なんか卒業と関係があるのかぁ。巣立ち・旅立ち的ストーリーかな?」と思ったのです。(←こんなシーンあったかもうろ覚えなのです。)
今ではハリー・ポッターなどでおなじみですが、もともと欧米の私立学校って寄宿制が多くて、文化的に違和感ないのだろうけど、高校生が普通の日に夜中どこかに集まってごそごそやってるのは、不思議な光景でした。
自然も多く、空も広い(夜で真っ暗のファースト・シーンですが)。
しかもちょっとした洞窟がすぐそばにあって湖もあって。こんなの日本じゃありえないけど、なんとなく憧れたのを覚えています。
そこで、少年たちが変な呪文を唱えながら儀式めいたことをしていて、「え、これは、ヨーロッパ史記、悪魔崇拝的ホラー映画なの?」と思ったほどでした。
実はこの映画は主人公は生徒よりも先生。わんぱくながらも多感で文化的なことを好み、いたずらもすればお互いのことで悩んだりぶつかったりする生徒たちを脇に置いた、変わった先生の物語だったのです。
そして最後は、先生が去っていく。でも、お涙ちょうだいよりも「なんか人生ってこんなふうに過ぎていくよね」と思わせられるエンディングなのです。
その前に、そのきっかけとして、一番ナイーブな少年が思い詰めて自殺する。それはみなに悩ましい想いを残すけれど、それはその自殺した子どもにも、周りの友達にも、先生にも、まして遠巻きにしている他の生徒や親や先生にはまったくどうにも出来ない世界で。当事者はみな泣いたり喚いたりするけど、悲しいほどちっぽけに見えたのです。
そこで、最初のシーンの意味がだんだんと見えてきて、もう一回観たくなったのです。だって、現代も実はそれと関係があるし。
そう、実は生徒個々人というわけでもなく、その中の一人の子というわけでもなく、一番ビビッドに生きてる男の子でもなく、先生や学校でもなく、やはり、原題として名称が使われている「あるグループ」そのものがこの映画の主人公なんだと今では思えています。何回も観ちゃってるなあ。その主人公は子どもたちの成就の始まりに伴って生まれ、そして、最後みながバラバラになるように、終わってしまうのですが、それで良いのだろう。。。と思わせられました。
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この映画のタイトルは、『いまを生きる』というものです。今思い返しても英語の原題、もやもやしますね…途中で起きる事件とのつながりがあるわけでもないのに。
そう言えば、この映画は結果として何回も観ているのですが、一番最初に観たときは、途中で飽きてしまったのを思い出しました。
『いまを生きる』参照元:映画.com
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